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眼瞼下垂症手術後の修正~⑤過矯正(オーバーコレクション)の修正手術~社会復帰に向けて

こんにちは。
一瀬晃洋です。


前回ご紹介した症例の手術計画についてご紹介します。

当初は兎眼の修正の後十分に落ち着くのを待った後に、もう片方を手術して左右差を無くして終了という計画でした。
早く通常の社会生活に戻ることを優先するためもう片方の眼瞼下垂の修正を急いで行うことになりました。

兎眼の修正および眼瞼下垂の術後は、数ヶ月後に後戻りのためまぶたの空きが変化して、もう片方にもその影響が及び左右のずれが生じてしまい修正の必要があります。ですが、今回は状況が良く後戻りにも小さな修正で対処できそうなので、ほとんど仕事を休まずに乗り切ることができるのではないかと思います。


▼手術計画変更
<手術1> 右 腱膜後転(延長)術➔➔➔済み(ほぼ成功)
兎眼を治す 
↓数ヶ月後

<手術2> 右 眼瞼形成術➔➔➔キャンセル
まぶたの形を整える
↓数ヶ月

<手術3> 右 部分切開法(小切開法)眼瞼挙筋腱膜前転術➔➔➔前倒し施行
左のまぶたの仕上がりになるべく合わせる
(※手術2と3は、状況により順番を変更する)


◆手術2.左まぶたの眼瞼下垂症手術

●術前 
眼瞼下垂(中等度) MRD:1mm


※土台が異なる左右のまぶたを同じ形にあわせるのは難しい

通常の眼瞼下垂手術(開きやすくする手術)では無く、右のまぶた(兎眼修正後)の形に合わせて形を作る必要があります。
今回の症例では、右のまぶたは皮膚を切り取られているために、初めから両方のまぶたの皮膚の余裕が違っており、まぶたの土台に差がある状態です。土台が異なる左右のまぶたの二重を合わせるのは難しいのです。
しかし、左の眼瞼に対して皮膚を切り取るリスクを冒すことはできません。皮膚を切り取らずに二重を右の眼瞼に合わせることをトライすることで患者さんと意見が合いました。

●手術

■部分切開法(小切開法)眼瞼挙筋腱膜前転術
皮膚切開:約18mm切開
通常の位置を切開(右より高い位置)
皮膚切除:なし
腱膜前転術:挙筋腱膜を瞼板へ固定 4カ所
(右のまぶたの形に合わせて内側をあげて作成)
手術時間:約18分
左右のまぶたの大きさと形がなるべく合うように、3Dの変化を考えて手術を行います。 やるべきことはすべてやり尽くして、祈るような気持ちで手術しました。


●術後(7日)


腫れは比較的少ない状況です。
患者さんは、「過去に自分が受けた眼瞼下垂の手術経過とは驚くほど違う。とても軽くて楽な手術だった」との感想でした。
部分切開法(小切開法)ではこれくらいの腫れが少ないのが通常です。


●術後(約2ヶ月後)


右:兎眼修正後の後戻りはない
二重は若干の乱れ

左:眼瞼下垂は治った
まぶたの開き&二重の左右差は少ない
左右のまぶたの形が揃っているため、サングラスで隠さなくても外出できる状態になりました。

両眼に一回ずつの手術でここまで治りました。今後は、右のまぶたの後戻りや傷跡などに対する小さな修正が必要になることが予想されます。

もう大丈夫です!












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