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薔薇が満開です!

こんにちは。
一瀬晃洋です。

薔薇 いちのせ形成外科・皮膚科

庭の薔薇が満開です

薔薇 いちのせ形成外科・皮膚科

5年ほど前から薔薇を育てています。
「いちのせ形成外科・皮膚科 眼瞼フェイスクリニック」が、薔薇が咲き誇る時期にオープンできたことを嬉しく思います。

薔薇 いちのせ形成外科・皮膚科

薔薇 いちのせ形成外科皮膚科 眼瞼フェイスクリニック

薔薇の栽培は、結構難しく思います。気を抜くとすぐにダメになります。
今年は綺麗に咲いています。


昨年に神戸大学医学部の院内誌に執筆した「私の趣味」を掲載します。

(医療従事者向けの記事内容ですので、若干読みにくいかもしれません....申し訳ありません)

「趣味は薔薇です」などと仰る方々は、園芸家の中でもかなりのプロフェッショナルの部類に入ります。私は全く専門家ではありませんが、庭で赤・白・ピンク・黄色の合計5本の薔薇を育てています。もうすぐ薔薇が美しく咲き誇る季節がやってきます。しかし、綺麗に花を咲かせるのはそれほど簡単ではありません。

薔薇を育てるための要点は、1.育てる薔薇の選択 2.土作り 3.水 4.肥料、5.枝の誘因 6.病気と害虫対策などです。このうち一つでも上手くいかないと、綺麗な薔薇の花を愛でることは出来ません。中でも特に難しいのが病気と害虫対策です。「薔薇は病気と害虫のデパートだ」と言われているほど、薔薇を好む病原体や生き物は非常に多いものです。薔薇の木を放置しておくと害虫や真菌症で1ヶ月で葉が全て落ちて枝だけになってしまいます。薔薇を育てる上で注意すべき項目はとても多いですが、今回は感染症に対する治療に絞ります。

実は、植物と人間の感染症の治療は驚くほど似ており、診断及び治療において共通する過程ばかりです。もし、植物が感染症に罹患しているのではないかと疑えば、まず病原菌を同定する「診断」を行います。薔薇が罹患する感染症は真菌が多いですが、細菌やウイルスも数多くあり、さらに植物細胞の核に増殖に関連する遺伝子を組み込むという、いわゆる癌を引き起こすバクテリアまでも存在します。疑わしい病原菌が特定できたら、その菌種に「抗菌スペクトル」が合致する農薬を、数多い選択肢の中から選択して投与します。選択した農薬が病原体に対してぴったりあたれば、植物は元気になっていきます。しかし、効果が不十分であれば異なる系統の農薬の選択などを検討します。農薬の投与で植物が枯れるなど重篤な副作用がでることもありますので、慎重に投与する必要があります。

植物への農薬の使い方で人の抗生剤と違う点は、真菌症などに対して広い抗菌スペクトルを持つ農薬の「予防投与」が一般的になっていることです。人に対する抗生剤の予防投与には異論が多いですが、植物の場合は感染症で一度ダメージを受けてしまうと回復に時間がかかることが多いために予防投与が重要とされています。開花前の大事な時期に葉っぱやつぼみが被害を受けてしまわないようにします。最近では農薬に対する「耐性菌」が増えている様ですが、今のところ人の感染症ほど耐性菌は問題にはなっていない様です。

薔薇の花は本当に美しい。ですが、その美しさを維持するためには適切な農薬を適切に使う必要があります。人間が健康に長生きするのには抗生剤が不可欠であるのと同じですね。

(インナイネット181号「私の趣味」に掲載)

「無農薬での薔薇栽培」をたまにお聞きするのですが、どうやれば出来るのでしょうか....





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